奇抜なものは何であれ、ショパンの眉をひそめさせる。彼は型にはまった中でさらに狭い世界に閉じこもっている。ショパンは誰よりも個性的で、その才能は最も独自性がある。しかしそのように言われることをショパンは好まない。そういえばドラクロワも、文学においてはより古典的でより形式主義的作品を好んでいた。
ジョルジュ・サンド(小説家)
音楽を好きになるとともに、ショパンを好きになった。 そして今もそうだ!
ドビュッシー(作曲家)
彼の演奏は極端なp(ピアノ)で、ハンマーをかすかに弦に触れさせながら限りなくやわらかな響きを醸そうとする。聴いているうちに、森の精か、いたずらな妖精の演奏会にいるような気がしてついピアノに近づいてみたくなってしまうのだ。ベルリオーズ(作曲家)
彼はもはやポーランド人でもフランス人でもドイツ人でもない。 モーツアルトやラファエル、ゲーテの国から来た最も高貴な素性の人なのだ。本当の祖国は、恍惚たる詩の王国である。
ハインリッヒ・ハイネ(詩人)
彼の話し方も、彼の芸術を映していました。つまり、柔らかく静かに流れて、ささやくようでした。ショパンは世界中のどこを探しても並ぶ者のないほどの才能に恵まれながら、物腰は優美で慎み深く、謙虚な方でした。個人の家のサロンでも演奏会場でも、ショパンは心静かに慎ましやかにピアノに歩み寄り、用意された椅子がどんなものであれ不平を洩らしませんでした。簡素な服装や自然なふるまいを見れば、気どりやはったりをどれほど嫌っている人かがよくわかります。彼は技巧ではなく、芸術を味わわせてくれるのでした。
ソフィ・レオ (音楽家が集ったサロンを持つ銀行家オーギュストの妻)
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参照:「弟子から見たショパン」「ショパンの響き」
ジャン=ジャック・エーゲルディンゲル