Epilogue

今回はショパンの家をめぐって3カ国周りましたが、
やはりどの土地に居てもポーランドに心が飛んでしまいました。

ウィーンもパリもとても壮麗で魅力的な街です。
ノアンも、広大な自然の中、サンドの手の行き届いた館があり
すばらしい土地でした。
それぞれショパンゆかりの地であり、住んだ家があることに変わりはないのですが
でも、なぜかいつもショパンは少し遠く感じられました。
たくさんの彼の家、たくさんの友人の家、身の回りの品々、よく歩いた道、階段・・
ワルシャワよりも地に足のついたようなショパンの生活を感じるのに・・不思議でした。

でも今から思うと、それこそショパンのように思いました。
周りにある華やかな色々なものを押しのけて、主張してくる人でないのです。。
彼の品格や優しさは、じわじわと暖かい灯のようです。

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ショパンもよく訪れたレストラン 
”ホノラトカ”


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静かな夜



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ワジェンキ公園
もし、ショパンに本音を語ってもらおうと思ったら、こちら側も思いやりがいるし
余計なもののない素直な心や、素朴でありながら洗練された環境がいる・・
旅を通して、そんな風に感じました。

そして、「ショパンらしさ」、それはやはり、ポーランドにいるときや
何より、音楽の中において、一番感じられるように思いました。

祈りの静けさで、時が止まったかのようなある夜の独特な空気、
ワジェンキ公園の森に無数に舞う綿の、水中にいるかのような幻想的な風景、
ショパンの音楽を聴きに公園に集まり静かに聴き入るたくさんの人々。。

祈り、感謝、許し、穏やか、朗らか、真実、優美、素朴、自然・・・
言葉で表現するのは難しいのですが
今回も、そんなとても不思議で神秘的な空気が
ワルシャワにはたくさんあるように感じました。

複雑な傷を負った歴史がその空気を作っているのか、
何なのかはよくわかりません。
でも、ワルシャワにいると、人にとって大切なもの、
そういうものがスッと前へ出てくる気がします。

家族が生きているだけで幸せ、食べられることの幸せ、歌い踊れることの幸せ、
そういう素朴な幸せを感じ続けてきた国だからでしょうか。


短い夏を楽しむ公園や街なかの人々・草木を思い返すと
音楽の中に出てくる喜びの旋律が、一層輝きました。



written in June 2008



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