Lekcja * Lesson

ピアノレッスンは到着3日目からショパン音楽院にて1~2日置きにありました。
練習室は毎日4~5時間くらい使うことができ、他の時間は他の子のレッスンを聴講したり、
市内を散策したりしていました。
私が師事したマナステルスカ先生はとても穏やかな方で、音の想いを大事にされ、
語りかけるような音が印象的でした。
バラード1番の出だしを弾かれた時のCの音から広がった世界は今でも忘れられません。
そのCの音を先生は「種」と表現されていらっしゃいました。
マズルカでは、戸を閉めた時と開けた時に聴こえてくる音楽や、
拍のアクセントについてお話してくださいました。
- Chopin -
アンダンテスピアナートと華麗なる大ポロネーズ
バルカローレ
マズルカ op.59-2
バラード g moll
* * *
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それはBarrySnyder先生(米人)と同じものでした。
アメリカはロシアからたくさんの亡命者がいたので、
その時にたくさん良い芸術も伝わったそうです。
それは腕の重さや体を自然に使い、指の付け根を支点として指先に効率的に圧力を運ぶことができるメソッドで、大きなホールで遠くまで豊かに響く音(open sound)を弾くのに大切な奏法です。
演奏する時一番大事なのは、いつでも、心で感じ、耳でその音を求めていくことではありますが、
メソッドは身体の面からそれに近づく手助けをしてくれ、また教える時に非常に役立ちます。
パレチニ先生のレッスンも聴講しました。
おやじギャクをかなり連発・・通訳の方も友達も苦笑い状態で(・ー・;あはは?
受けなければ受けるまでゆっちゃうような・・^^雑誌などで見るイメージよりも砕けていて明るい方でした

演奏家なのでたくさん弾いてくださり、1小節ずつとても細かいレッスンで
やはり音に対する妥協がなかったです。^^
そんな中、ポーランド人としての先生方に共通して感じた事は、
穏やかさの中にある強さや深さで、心・気品を大事にしていることでした。
それはショパンの音楽やポーランドの街全体、歴史から感じるものとも共通していました。
またポーランドの人達は、ショパンを愛し尊敬しているのと同時に、
そっと守り、支えているような印象も受けました。
帰ってきて1ヶ月経ちましたが、行く前と後ではショパンの音から感じる世界が明らかに変わりました。
ポーランドを訪れたことがある方の文章や演奏も分かるようになった気がします。
自分が表現するにはまだまだたくさんの努力が必要ですが・・・
私はポーランドのその音楽の作り方、演奏姿勢・精神がとても好きでした。
wrote in 22 Mar 2006

今回、ポーランドの民族舞踏のレッスンもありました。
ポロネーズ、マズル・オベレク・クヤヴィヤク、クラコヴィアクの踊りを
それぞれ見せてもらいながらみんなで踊りました。
とても楽しい時間で、先生の踊りや体で感じるリズムはとても勉強になりました。(

まず初めにポロネーズをしました。
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綺麗に歩くのが難しかったです。
足の出し方、顔の左右への向け方などの基本はバレエと同じでした。
アーチをくぐったり大勢でつながったりしながら、
楽しくて満面の笑みになって踊っていた私ですが、
「宮廷舞踏なので微笑みの口は小さくにっこりくらいにしましょう」と言われちゃいました(^^*
ポロネーズは、今の時代でも高校の卒業式などお祝いの時に踊られるそうです。
次はマズル。
先生が踊り始めの体勢をとっていたので、パートナーと手を組んで真似ようと準備していたら、
「ぎゃーー!!」という奇声にちかいような掛け声でダンスが一瞬のうちに始まり

すっごく速い動きと活発さにびっくり!みんな大うけ

その場みんなのテンションが一気にあげられて、そのパワーはすごかったです

みんなと踊ったマズルはもう少し簡単なものにしてもらえました(^^
次のオベレクは思っていたよりも随分速かったです。マズルとそんなに変わらない感じでした。
その次はクヤヴィヤク。マズルのようなにぎやかさはなくしっとりとしたステップでした。
最後に踊ったのはマズルだと思っていましたが、あれはクラコヴィアクかな?
みんなで輪になって横に走るようなステップで回って8拍ずつの振りでした。
ショパンの「マズルカ」はマズル・オベレク・クヤヴィヤクの
3つの舞踏曲が混ざり合って作られている曲です。
彼は小さい頃から生活の中でこれらの舞曲に普通に触れ、
ワルシャワから亡命した後も故郷を想い生涯そのリズムを書き続けました。
しかし「マズルカ」は踊るための曲ではなく、 ショパンの頭の中で作られたファンタジーな芸術作品です。 実際に見れて踊れて、演奏の為にもとても良い経験になり、 毎日レッスン受けたいくらいでした。^^ 最後にポーランド民謡を歌ってくださいました。それは日本でよく知られている ♪森へ~行きましょ~~娘~さん~ でした ![]() | ![]() |
wrote in 22 Mar 2006

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修了式 |
全てのレッスンが終わって数日後、修了式、パーティーがありました。
マナステルスカ先生には
「とても音楽的で、あなたの伝えたいことが良く分かります。あなたの演奏、私とても好きです。」
と言って頂け、修了演奏会に推薦して下さりとても励みになりました。
自分でレッスンのMDを聴いていくと、初日と後半が別人のように演奏が違いました。
テンポの設定、ペダルの呼吸、ほんのわずかな違いですが、
その曲の”空気”が変わっていました。
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マナ先生クラス |
余計な表現はせず、体と連動した自然な呼吸を取り入れ、
どの曲も、全体的なテンポは遅め。。
ショパンが生きていた頃の時間の流れを思い起こさせていただけました。
それは、音楽そのものの形やきらめきをよく見せてくれ、
一聞地味に聞こえるかもしれないけれどずっとずっと心に残る、
そういったものの美しさや素晴らしさを、改めて感じることができました。
帰ってきて月日が経つと、色々なものに埋もれてまたそれを忘れてしまうことがよくあります。
未熟な演奏なのだけれど、この時のMDには何か貴重な空気が存在していて
今もふと、教えられ、基本に戻らさせてくれることがあります。
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ディプロマ & 先生からの贈り物 |
修了セレモニーで一人ずつディプロマをいただいた後、
マナ先生はなんと、門下生全員にプレゼントを用意してくださっていました

袋には一人ずつ名前を書いていらっしゃったので、先生は一人一人お考えになって
CDや楽譜・小物を選んでくださったのでしょうか?
修了式で先生からのプレゼントを頂いたのは初めてでした。
サンタさんのようにプレゼントを配る、とても温かいお心遣いに感動したセレモニーでした。

wrote in July 2007